たりたの日記
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2003年07月14日(月) Morning Has Brokenと讃美歌444番

月曜日の朝、雨上がり、
はなみずきの葉に滴がしたたっている。
山の中の朝を思わせるようなひんやりした空気、鳥の声。
まだパジャマのままだというのに、わたしは側に置いてあるギターを取り上げ歌いはじめた。


世のはじめ さながらに、
あさ日てり 鳥 うとう。
みことばに わきいずる
きよきさち つきせじ

世のはじめ 朝つゆの
おきしごと 雨 ふり、
キリストの ふみゆきし
園のさま  なつかし

世のはじめ さしいでし
みひかりを あびつつ
あたらしき あめつちの
いとなみに あずからん


この歌は讃美歌444番。「青年」というジャンルには入っている。それこそ、青年の頃、讃美歌の中にこの歌をたまたま見つけて、ギターのコードを付けて歌っていた。特に今日のようなしっとりとした夏の朝には自然に口をついて出てくる。いつだったかこの歌を歌っていると、連れ合いが、それ、キャット.スティーブンスのヒット曲だよと言ったことがあった。

さて、この歌を歌いながら、何気なく楽譜の右上の文字を読んでみると
Old Gaelic Melody とある。ゲール地方の古い民謡。つまりケルト音楽ということだ。先日久々にケルト音楽に触れ、ケルトづいている時だったから、なにか不思議な繋がりを感じて、この歌について調べたくなった。



楽譜の右上にはその讃美歌の旋律の出展が書かれているが、Old Gaelic Melodyの下に Arr. by Martin Shawとあるから、マーティン.ショーがケルトの民謡を編曲したものということが分る。
さらに楽譜の左上にはその讃美歌の歌詞の出展が書かれている。そこを見てびっくり。Morning Has Broken Eleanor Farjeon、1881〜とある。どうやらこの歌の作詞者は児童文学者として知られ、美しい子どものための詩も書いているエリナー.ファージョンらしい。検索にかけると原詩が出てきた。さすがに美しい詩だ。


ところで日本語の歌詞に訳されている讃美歌444番だが、この訳詩者の名前は書かれていないものの、みごとな訳詩だと思った。というのは日本語で読んだ時のイメージや感覚がそのまま、原詩を読んだ時のものだったからだ。言葉を右から左に移し変えてもその詩の持つリズムまではなかなか伝えられないものだが、この訳詩はそれが成功していると思う。原詩の通り、一連を4行で整え、一行は二つのフレーズでまとめられている。それぞれのフレーズはすべて5音節からなり、表記も行を揃え、視覚的にも美しく見えるようにという配慮が伺える。

おもしろいのは、原詩で使われている固有名詞のEden(エデン)が訳詩にはなく、園という言葉が当てられ、原詩ではhis feet passと代名詞で書かれているところを、訳詩ではキリストと固有名詞に置き換えられている。

ところで、キャット.スティーブンスは70年代にヒットしたこの歌をどういう経緯で歌うようになったのだろうか。彼は後にイスラム教に入信してしているようだが、このミュージシャンのことにしても興味は尽きない。もうしばらく調べてみよう。

Morning Has Broken

     lyrics by Eleanor Farjeon


Morning has broken, like the first morning
Blackbird has spoken, like the first bird
Praise for the singing, praise for the morning
Praise for the springing fresh from the word


Sweet the rain's new fall, sunlit from heaven
Like the first dewfall, on the first grass
Praise for the sweetness of the wet garden
Sprung in completeness where his feet pass


Mine is the sunlight, mine is the morning
Born of the one light, Eden saw play
Praise with elation, praise every morning
God's recreation of the new day





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